イラク人ブロガー

ラマディはいま夜10時。
米軍のヘリや戦車が動き回り、爆発音が聞こえる。
彼らは家々を襲撃し、人々を殺している。
そう、夜は彼らにとって誰を殺しても許される時間なんだ。
でも僕たちには生き残る権利は保証されていない。
あすの朝、家族全員が無事であることを祈るのみだ。
お休みなさい。

イラク西部の都市ラマディから、戦時下での異常な暮らしの実態をブログに書き続けてきたカーシム・トゥルキ氏(Kasim Turki)が来日し、那覇でも報告会を行った。

31歳のカーシムはイラク戦争中は共和国防衛隊の兵士だった。多くの同僚兵士を失いながら命からがら故郷ラマディに敗走。その後、ファルージャでの米軍による住民乱射事件を在バグダッドの海外メディアに報告したことをきっかけに、米軍の戦争犯罪の告発をブログ上で始める。

http://iraqmail.blogspot.com/

と同時に「イラク再建青年グループ」を主宰。学校の修繕工事や診療所開設などの支援事業を続けている。

メディアの取材や報道に様々なバイアスがかかり情報が偏向しがちな紛争地において、市民によるブログは戦争の真実を知るうえで貴重な手がかりのひとつだ。実際、カーシムのブログはたちまち世界中で注目を集め、かのマイケル・ムーア監督も接触してきたという。カーシムはその後、ブログを理由に米軍に一時拘束されている。

イスラム過激派がネットを通じて若者をリクルートしているように、一般市民もまた戦時下の暮らしを世界に伝えようとブログを駆使する。デジタルレジスタンスとでも呼べるような21世紀の新たな抵抗運動の姿がかいま見える。

カーシムの話で印象に残ったのが、沖縄に来ての感想だった。彼はイラクで”OKINAWA”の名を日常的に耳にしているという。収容所や援助活動の現場で会う海兵隊員の多くが、「沖縄から来た」というのだという。彼にとってOKINAWAは、殺戮と恐怖のイメージと結びついている。しかし、実際沖縄に来て美しい海や心優しい人々と触れ合う中でそのイメージは変わったという。

ところで、カーシムのブログは2006年5月以来更新されていない。イラク戦争から5年が過ぎ、メディアの情報が少なくなってきた今こそ、市井の情報をリアルに伝えてほしいのだが。。。

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