アフガニスタンからの便り

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東中野にパオ(包)という店を開き、アフガニスタン料理やアフガン絨毯を商う知人の安仲卓二氏から久々にメールが届いた。いま、アフガニスタンにいるという。

安仲さんはアフガンの羊毛手織り絨毯に魅せられ、絨毯屋として20年以上当地に通い続ける気骨の人だ。メールに添付されていた彼の文章に心を打たれた。店のHPにも掲載されているので、一部ご紹介したい。86年にアフガンで取材中に地雷を踏んで亡くなった写真家の南條直子さんや、先日援助活動中に殺害されたペシャワル会の伊藤和也さんと自分を比較しての下りである。

(以下、アフガニスタン特派通信3より抜粋)
http://paoco.jp/sfs6_diary06/sfs6_diary/index.html

私は南條さんと会った1986年頃からアフガニスタンの絨毯屋で、アフガニスタンの人間そのものよりも、それらが作った物を通してアフガニスタンと付き合おうとしていました。私の姿勢や方法は南條さんとは違いましたが、アフガニスタンを発見し対象物として接しようした事は共通していました。私の仕事はいまだ上手く行かないのですが、86年当時以来この立場を保っています。 (中略)
 
私は南條さんや伊藤さんとは道は違っても、日本人としてアフガニスタンの道を進みます。退き返すことはしません。この間のペシャワル会のことは知りませんが、私が思うに彼らもまた退き返すことはしないでしょう。ただし人道に縛られた道はどこまでも自分善がりな他人事然とした嘘と誤解をパートナーにせねばならず、アフガニスタンでは茨の道以上に険しい道があるように思えてなりません。武士のヒューマニズムより武士のキャピタリズムが問われているような気がします。絨毯を扱う小商人の私は武士にはなれませんが、クチヤン(遊牧民)の末裔と接しながらキャピタリズムが見えるか否かを感じたいと思います。
  

”武士のヒューマニズムより、武士のキャピタリズム”。

名言である。自分には耳の痛い言葉だが、安仲さんの商人としての心意気がずっしりと伝わってくる。

安仲さん、あなたは普段はおどけてばかりいるけど、やはり素敵です。
自分もこのような骨のある生き方を見習いたいものである。

東京に行く機会があれば、皆さんも是非、PAOを訪ねてみてください。美味しいケバブやカラヒィが食べられますよ。

「パオ(包)」http://paoco.jp/sfs6_diary06/sfs6_diary/index.html

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