闘うチョウ研究者 米軍基地から沖縄の森の生き物を守る

監督・撮影・編集
新田義貴
撮影助手
知花あかり
制作著作
ユーラシアビジョン
URL
https://creators.yahoo.co.jp/nittayoshitaka/0200023174

沖縄本島北部に広がるやんばるの森。亜熱帯の照葉樹林に空を飛べない鳥ヤンバルクイナや、木に穴を掘って巣を作るノグチゲラ、日本最大の甲虫類と言われるヤンバルテナガコガネなど世界でもこの地域にしかいない固有種や希少な生き物たちが数多く暮らし、「奇跡の森」とも呼ばれる。この森は今、日本政府が世界自然遺産の候補地として推薦していて、早ければ来年夏の登録を目指している。

やんばるの森は美しいチョウが舞う蝶々の楽園でもある。このチョウたちに人生全てを捧げる人がいる。チョウ類研究者の宮城秋乃さん、通称アキノ隊員。沖縄本島中部の浜比嘉島出身で、子供の頃から昆虫が大好き。高校卒業後は県内の博物館や大学院大学でチョウの研究をしていたが、現場主義の彼女はやがてフリーランスの研究者となり、今はやんばるの森で毎日のように調査を続けている。彼女が特に力を入れているのが、体長1センチで日本最小のチョウのひとつとされるリュウキュウウラボシシジミ。2011年、アキノ隊員は東村高江にこのチョウがたくさん生息していることを発見する。その後は高江を主なフィールドに調査を行い日本蝶類学会にその知られざる生態について論文も発表し高い評価を受けた。