今月、在沖米陸軍のトップが交代した。2年間の任期を終え帰国したのは、読谷村にあるトリイステーションに駐留する米陸軍第10地域支援軍のケネスS・ラングレン司令官。トリイ通信施設やグリーンベレー、PAC3支援部隊などを抱え、極東地域の軍事情報戦略の要となる部隊を統率したラングレン氏だが、彼が沖縄に残した最大の功績は、”トリイビーチジャズ&ワインフェスティバル”ではなかったろうか。
私がラングレン氏と知り合ったのは、あるジャズ好きの知人を通してだった。知人は以前から沖縄でジャズフェスティバルを開催したいと考えていたが、場所が確保できず困り果てていた。ある夜、那覇のジャズクラブで出会ったラングレン司令官と意気投合し、司令官は基地内のビーチで開催することを快諾してくれたそうだ。
7月初めの週末、今年で第2回目となるフェスティバルに初めて足を運んでみた。真夏の夜のビーチで冷えたワインを飲みながらジャズを聞くのは、実に心地よい。ステージでは沖縄ジャズ界の大御所、屋良文雄さんらが自由気ままにプレイしている。客の半数が米軍関係者、残り半分は地元客。みなピクニック気分で思い思いに楽しんでいる。
ラングレン司令官は2年前の就任時のインタビューで、地元との交流を最優先課題にしたいと語っていた。ことし2月には所属の米兵がフィリピン人女性を暴行する事件が起きるなど、塀の外との摩擦に神経をすり減らしていたようだ。近隣住民にとって基地が迷惑施設であることに変わりはないが、こうしたイベントを積極的に開催することは米軍が沖縄に駐留する以上、必要なことだろう。
2月の米兵による少女暴行未遂事件以来の外出制限はこの日もまだ続いていた。午後12時のイベント終了を待たずに、他の基地に所属する米兵たちはそそくさと帰宅の途についた。