イスラマバード激震

パキスタンの首都イスラマバードの宗教施設に過激派が立てこもった事件は、軍の強行突入によって劇的に幕を閉じた。きょう現在の死者数は110人で、最終的には250人に達するとの予測もある。

今回の突入には、ムシャラフ大統領の冷酷な軍人としての一面が垣間見えた。すぐにフジモリ大統領の在ペルー日本大使館突入、プーチン大統領のモスクワ劇場突入を思い浮かべた。強権国家においては、首都でのこのような血なまぐさい軍事作戦が指導者の一存で行われてしまうのである。ムシャラフは国際社会の支持を得るためにあえて強硬策を採ったとされるが、一方でこれは国内のイスラム過激派を完全に敵に回し、彼自身の政治生命をおびやかしかねない決断でもある。アルカイダはすでにザワヒリ師の声明でムシャラフへの報復を呼びかけている。

モスクの指導者だったアブドル・ラシド・カジ師はアルカイダや国内のイスラム過激派と深くつながっていたとされる。それはガジ師の写真を見ても推測できる。ガジ師が被っているのは、シュマーグと呼ばれるアラブのスカーフである。パキスタン国内において宗教指導者が異民族の衣装を好んで着ることはまずない。ガジ師がいかに、アラブの影響下にあったかを端的に示す例だ。

ムシャラフは”パンドラの箱”を開けてしまったのか?それとも、ムシャラフ流の過激派との裏取引があるのか?パキスタンの今後の動向は、その影響力からして中東情勢を大きく左右しそうだ。

(写真:軍との銃撃戦で死亡したガジ師)

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