イラク中部サマラにある「アスカリ聖廟」が昨日、再び爆破された。去年の黄金のドームに続き今回2本のミナレットも破壊され、その美しさで知られたアスカリ聖廟はもはや廃墟同然となった。
アスカリ聖廟はシーア派にとって4大聖地のひとつで、ひじょうに重要な場所である。去年2月の爆破以降、シーア派とスンニ派の宗派間抗争が泥沼化して来たが、今回の爆破は、すでに出口の見えなくなっている宗派間抗争をさらに加速し、内戦、イラク分裂という最悪のシナリオに向かわせる危険性すら秘めている。
去年2月の爆破に関する当ブログ記事
http://blog.livedoor.jp/eurasian/archives/2006-02.html
<悲劇を伝えるシーア派ニュースサイト JAFARIYA NEWS>
http://www.jafariyanews.com/2k7_news/june/13samarra_tragedies_camerareport.htm
シーア派の反米強硬派指導者サドル師はいち早く声明を発表し、スンニ派テロリストを厳しく非難。その一方で「本当の敵は占領そのものだ」として、シーア派の一般市民に対し自制を呼びかけてもいる。過激な言動で知られるサドル師にしては意外な発言だが、アメリカが撤退すればイラクは内戦状態に陥る危険性が高く、サドル師はあえてそれを望んでいるのかもしれない。
すでに今日になってスンニ派モスクへの報復攻撃が各地で起こっていると伝えられている。これ以上の流血はもちろんのこと、人類が築き上げた美しい歴史的建造物が失われていくのもまた、悲しいことである。
(写真:爆破前のアスカリ聖廟)