カブール郊外の米空軍基地で昨日、滞在中のチェイニー副大統領を狙った自爆テロが起き、住民ら23人が死亡。その直後、イスラム武装勢力タリバンが犯行声明を出した。2001年12月のタリバン政権崩壊後も、アフガニスタンのイスラム原理主義グループは根強い対米攻撃を続けてきた。アメリカの後押しで誕生したカルザイ政権が汚職にまみれ国民の信頼を失う一方で、タリバンは急速に再組織化を進めている。
2001年の12月、タリバン政権崩壊直前にパキスタンのペシャワールにあるアフガン難民キャンプを訪ねたことがある。空爆を逃れて多くのアフガン人が避難していたが、その中にはタリバンの兵士も含まれていた。キャンプの有力者に仲立ちを頼み、そのうちのひとりと面会した。20代後半と見られる素朴で優しそうな青年だった。目のつり上がった宗教的狂信者をイメージしていたため、意外に感じたのを憶えている。しかし、”イスラムによる世直し運動”を目的に始まったタリバンは、もともとは極めて純粋な宗教集団であったのだろう。青年はアフガンの人々の将来を憂い、祖国を追われた悲しみを語ってくれた。一方で、”アメリカ”の話になると、険しい目に変わり、敵意と憎悪を剥き出しにしこう言った。
「私は今もタリバンだ。信念は変わらない。アメリカに勝利するまで戦い続ける。」
タリバンはかつて、自爆テロという手法をとることはなかった。いま、新生タリバンはアラブから来たテロ組織と一体化し、対米攻撃を激化させ始めている。もはやタリバンとアルカイダの間に明確な線引きはなくなったのではないだろうか。アメリカはイラクとアフガンという2つの泥沼に両足をからめ取られている。
(写真:今もタリバンを率いているといわれるオマル師)