1月、沖縄からイラクへ出撃した海兵隊員が相次いで2名戦死した。目を引いたのは、このうちひとりがアラブ系の対諜報部員の若者だったことだ。
死亡したのはキャンプ・ハンセン所属のマイケル・カシュクシュ軍曹(24)。オハイオ州出身のカシュクシュはレバノン系の一家に育ち、高校卒業後すぐに海兵隊に入隊した。当初から対諜報部員として教育を受け、士官学校ではアラビア語を叩き込まれている。沖縄に配属後、イラクのアンバール州の武装勢力掃討の最前線に送られた。アラビア語を駆使し、捕虜や民間人からの情報収集、現地協力者を通じての諜報、謀略活動などを行っていたと見られる。
レバノン人は地中海に面した土地柄もあり、開放的で社交的な人が多い。そのため、ビジネスやメディアで国際的に活躍する人物が多く、”アラブのユダヤ人”などとも言われる。アルジャジーラやアルアラビアなど中東の主要メディアはほとんどがレバノン人で占められ、私も何人か知り合いがいる。日産のゴーン会長もレバノン系フランス人だ。こうしたコミュニケーション能力に長けた優秀な人材を米軍が見逃すはずもない。
イラクで武装勢力の攻勢に苦しむ米軍は、情報収集力を高めるために多くのアラブ系アメリカ人をリクルートしている。キャンプ・ハンセンで行われたカシュクシュ追悼式の写真には、遺影の背後に十字架が見える。カシュクシュはクリスチャンだったのだろうか。
http://www.okinawa.usmc.mil/Public%20Affairs%20Info/Archive%20News%20Pages/2007/070202-fallen.html
彼の宗教が何であったにせよ、自らのルーツでもあるアラブ人と戦うのは、辛いことだったに違いない。