魔都のムスリム~上海リポート②

Muslim in Shanghai上海の町を歩いていると、白い帽子を被った物売りをしばしば見かける。ケバブや豆菓子などを売るイスラム教徒で、そのほとんどが西域からやってきたウイグル族だ(回族)。どこか日本人にも顔が似た彼らのルーツは、モンゴル高原を発祥の地とするトルコ系遊牧民だという。

黄浦江西岸にある老西門に、ウイグル族が集まるモスクがあるというので訪ねた。老西門は発展目覚ましい上海の中で、昔ながらの家並みが残る下町だ。入り組んだ路地に小さな商店がひしめき合い、安くて美味い食堂も多い。モスクの名は「小桃園清真寺」。見た目はさほど大きくはないが、1917年に建設された上海最大のモスクだという。金曜礼拝が始まる少し前に訪ねると、モスクの前には肉やパンを売る屋台が出ていた。しかし、礼拝を呼びかけるアザーンは流していない。中国当局がイスラム教を厳しい監視下に置く中で、控えめに信仰を守っているのだろう。

ウィグル族の故郷、新彊ウイグル自治区は、パキスタンやアフガニスタン、タジキスタンなど、いずれも政情不安定なイスラム諸国と隣接し、相互に活発な交流がある。90年代以来、このウイグル地区ではイスラム勢力による中国からの独立運動がくすぶり続けている。

老西門には今、開発の波が迫りつつある。すぐ周囲では近代的なビルの建設が続き、老西門が飲み込まれるのも時間の問題だろう。その時、辺境から来たウィグル族はどこに行くのだろう。彼らの不満を抑えることはできるのだろうか。多民族国家である中国が抱えるジレンマを見たような気がした。

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