沖縄県北部、”やんばるの森”と呼ばれる緑深い原生林を車で走っていると、道沿いに見慣れない英語の看板が現れた。”HELICOPTER LANDING ZONE”。通称ヘリパッドとも言われる米軍ヘリの着陸帯が近くにあることを示すサインだ。この地域は米軍の北部訓練場で、ジャングルでの作戦を想定した様々な戦闘訓練が行われている。
いま、この”やんばるの森”にヘリパッドを新たに6カ所増設する計画が進んでいる。96年のSACO合意に基づき、北部訓練場の半分を返還する代わりに、返還地域にあるヘリパッド7カ所を残る地域に6カ所移設するというものだ。
ヘリパッドの移設は、東村高江地区を取り囲むように計画されている。人口140名の高江では、既存のヘリパッドによりこれまでも騒音に悩まされてきた。にも関わらず、これまでヘリパッド建設に伴う住民への影響などの説明は一切ないという。住民たちは那覇防衛施設庁に対し、環境アセスメントを白紙に戻し、納得のいく説明を求めている。
やんばるの森はヤンバルクイナやノグチゲラなど、沖縄固有の希少動植物の宝庫で、県は世界自然遺産への登録も目指している。ヘリパッドの建設は、こうした動きに逆行している。
29日までに出される知事意見を受けて、早ければ年度内の着工が懸念されている。普天間基地の辺野古への移設問題の陰に隠れ、いまもうひとつの”移設”が住民の意向を無視した形で進められようとしている。