おととい15日は、アメリカ公民権運動の指導者で68年に銃弾に倒れたマーティン・ルーサー・キング牧師の誕生日であった。アメリカではこの日はキングデーとして祝日になっており、全米でキング牧師を追悼する様々な催しが毎年行われる。この日、ブッシュ大統領はワシントンにある高校のボランティア活動に参加し、次のように語ったという。
「キング牧師は他人への無償の奉仕を説いた。国のために奉仕してくれている大勢の人々に感謝したい。」
イラク戦争をはじめ数々の暴力に手を染めてきたブッシュ大統領が、非暴力抵抗運動の象徴であるキング牧師の名を借りて演説を行うとは、悪い冗談というほかない。
沖縄でも本国に習い米兵たちは3連休。ペイデー直後の3連休とあって、コザの夜にも久々に活気が戻ったようだ。いつイラクに送られるか分からない米兵たちが酒とロックに溺れる様は、ベトナム戦争当時の再現とも言われる。
その沖縄でキング牧師の遺志を継ぎ、反戦平和運動を続けるアメリカ人がいる。普天間バプテスト教会のランドール牧師である。
ランドール牧師は1969年、バプテスト教会の宣教師として沖縄に派遣されてきた。しかし、若きランドール牧師が見たのは、沖縄の教会が米軍基地と依存関係にあり、そのため”住民への基地被害”などの政治問題を避けているという現実であった。ランドール牧師は米軍基地への”自由通行証”の受け取りを拒否。これをきっかけに宣教師の資格を剥奪される。
その後のランドール氏は米軍属系の教会を離れ、沖縄の人々が通う普天間バプテスト教会の牧師となった。教会は普天間基地のヘリ滑走路から数百メートルの位置にあり、付属の幼稚園の上空を米軍ヘリが飛び交う。この教会を拠点にランドール牧師は”基地のない平和な島”を説き続けている。ガンディーやキング牧師の研究者としても知られ、2004年に米軍ヘリが墜落した沖縄国際大学で”平和学”を教えてもいる。
ランドール氏はイラク戦争にも反対し、ブッシュ大統領の外交政策を厳しく批判してきた。去年11月に沖縄で行われた”ネオコン牧師”フランクリン・グラハム師の演説大会の開催にも反対を表明した。ランドール牧師の主張の根底には常に、ガンディーやキング牧師が説いた”非暴力抵抗運動”の精神が貫かれている。
ブッシュ政権がイラク米軍増派を発表した直後の昨日、バグダッドでは大規模な自爆テロが起き90人以上が死亡した。ブッシュのアメリカが火をつけた暴力の連鎖は、当分止まりそうにない。
普天間バプテスト教会のサイト
http://church.ne.jp/futenma/