ネオコン牧師、沖縄上陸

フランクリン・グラハム1沖縄で先週、3日間にわたりキリスト教の巨大イベントが開催された。「沖縄フランクリン・グラハム国際大会」。新聞全面広告やテレビCM、街頭ポスターなど大々的に宣伝していたので、多くの県民がどこかで目にしたことと思う。

http://www.ofgf.jp/

一見、アメリカの人気牧師によるキリスト教の普通の布教イベントのようにみえる。しかし実はこのフランクリン・グラハムという男、ブッシュ大統領の大統領就任式で説教を行い、イスラム教を「邪悪な宗教」と語り、イラク戦争を積極的に支持。中絶や進化論は否定するなど、アメリカのキリスト教右派を代表する人物なのである。NYタイムスやニューズウィークも、危険な人物として過去に何度も取り上げている。

なぜこの牧師が、今このタイミングで来沖したのか。そこが問題である。”米軍再編”という名の日米軍事同盟強化が進められる中、沖縄の反戦平和運動には教会関係者も多くが参加している。グラハム師の来沖の目的は、こうした教会への引き締めだと言われる。そして、沖縄県民をキリスト教に改宗させることで、自らの政治的主張をも飲ませようという意図も感じられる。

31日には在沖の教会関係者による大会開催への反対声明も出された。「人種差別的な発言を繰り返しイラク戦争を賛美するような人間に、基地の重圧に苦しむ沖縄県民に向け”愛”を説く資格などない」というのが彼らの主張で、ごもっともである。反対声明を取りまとめたのは、イラクへ何度も足を運び、現在は辺野古の反基地闘争に情熱を注がれている、うぶさと伝道所の平良夏芽牧師である。平良牧師は大会開催への反対が、宗派間の単なる内ゲバと誤解されるのを深く懸念し、デモなどは行わず、今回は反対声明を出すにとどめたという。

http://henoko.jp/info/20061031graham.html

大会の受け入れ団体である沖縄バプテスト連盟の中にも、個別に反対を表明している教会や牧師も少なくない。普天間バプテスト教会のランドール牧師もそのひとりだ。一方で、戦後アメリカの教会から多くの経済的支援を受けてきた沖縄の教会の中には、大会に疑問を感じていても正面から反対はできないという複雑な事情もあるようだ。

グラハム牧師は沖縄で何を語るのか?4日夜に会場となった北谷町陸上競技場へ足を運んだ。本国から招いたバンドが賛美歌を演奏し、盛り上がったところでグラハム牧師が登場。牧師というよりも政治家といった風情の人物で、物腰や話し方などからも、いかにもタカ派的な印象を受けた。スタージの手前には5メートルほどの進入禁止区域が設けられている。政治家なみのセキュリティー体制だ。民衆の間に分け入って愛を説くといった姿勢は感じられない。1時間弱の説教では、沖縄の基地にもイラク戦争にも一切触れず。「キリスト教を信じることのみが、天国へ行く道」とひたすら説く。「イスラム教もヒンズー教も、仏教もどれを信じても天国には行けない」と他宗教の完全否定。参加者は米兵とその家族が多かったが、ウチナーンチュも少なからずいた。主催者側の発表では、3日間で3万人以上が訪れたという。

フランクリン・グラハム2

最後に、バンドがスローで情緒的なBGMを演奏する中、「信じる人は前に」と呼びかける。その後は”カウンセラー”による個人勧誘が始まる。

私も罪深きキリスト教徒のひとりである。キリスト教徒が増えることに何ら異存はない。しかし、このような茶番の布教活動には、深い憤りを感じざるを得ない。

フランクリン・グラハム3

上の写真は、肩を組み合って涙を流す3人の若い米兵。イラク戦争に参加し、この世の地獄を見たのであろうか。基地と共に生きるウチナーンチュに対しても、イラクで死線をさまよう米兵のどちらにも、グラハム師が語りかける言葉はないはずである。

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