ムンバイの中心部フォート地区に、ひときわ目立つ37階建ての高層ビルがある。いま日本でも注目を集める”インド株”売買の総本山、ボンベイ証券取引所(BSE)だ。
BSEの平均株価指数SENSEXは現在、市場最高値を更新し続けている。インド政府が05年度の経済成長率を8.1%と発表した2月には初めて1万の大台を突破。ITや製薬、化学など産業が好調なことに加え、10億の人口を抱える巨大市場への期待感が市場を牽引している。
正式な取材ではないのでアポなして訪問したが、日本のジャーナリストだと告げると写真を撮らないことを条件に特別に中に通してくれた。ジャパンマネーへの期待の高さを窺わせる。最近もNOMURA(野村證券?)が視察に訪れたという。BSEでも現在は取引のオンライン化が進み、数年前に立会場は閉鎖されている。いまBSEビルは証券会社のトレーディングオフィスのコンプレックスの様相を呈している。
私が案内されたのは高層階にあるトレーニングセンターだった。インド人を対象に、証券から投資信託、デリバティブまで、金融に関するありとあらゆる講座が設けられている。授業は全て英語で行われ、1講座の授業料は数万円と高額にも関わらず、多くの若者が真剣な表情で学んでいた。特に驚かされたのは、生徒の3分の1ほどが女性だったことだ。インドでは女性の社会進出も急速に進み始めている。
”ゼロ”を発明したインド人である。グローバル経済の波に飲み込まれながらも、ITと金融を武器に独自の経済発展モデルを築いていきそうな可能性を感じた。