インド非同盟外交の終焉

ネルー首相
ブッシュ大統領の印パ歴訪が終わった。結果はインドの独り勝ちの印象が強い。90年代から核武装を続けてきたインドは、初めてアメリカから”核保有国”としてのお墨付きをもらったのだ。

アメリカのダブルスタンダードも露骨さを増している。イランや北朝鮮の核開発には断固として反対し、パキスタンへの核技術供与も拒否した反面、今回アメリカは初めてインドへの原子力協力に合意した。新たなライバル中国を牽制するために、どうしてもインドを仲間に取り込んでおきたいという本音のようだ。

と同時にこれは、NPT(核不拡散条約)体制がすでに破綻していることを如実に表している。イランのようにNPTに加盟し”平和利用”を謳い文句に核開発を進める国もあれば、インドやパキスタンのようにNPTへの加盟を拒否し、堂々と核武装する国もある。そして、イラクやインドの例を見ても分かるとおり、国際社会の選択肢は2つのみ。軍事攻撃か、事実上の黙認かである。イランの核開発を中止させるのも容易ではない。米英仏露中の第2次大戦の戦勝国5ヶ国のみが核武装できるという、NPTの理念そのものが、多極化する世界で今や説得力を持たないのである。

独立以来、”反植民地主義””平和共存”を掲げ、非同盟主義の盟主であり続けてきたインドの外交戦略も大きな曲がり角を迎えている。アメリカのお墨付きを得て、パキスタンや中国と向き合うのが、非同盟主義なのだろうか。非同盟主義自体、グローバル化する世界ではもはや古いイデオロギーなのかもしれない。
糸車を回すガンジーの絵
(写真上:インド非同盟主義の父・ネルー首相)(写真下:糸車を回す独立の父・ガンジー肖像画/友人の”ひつじ”が去年12月、グジャラートのガンジーアシュラムにて撮影)

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