小泉首相を喜ばせた”親日”トルコ

9b8f30af.jpg今年最初の外遊先としてトルコを訪問した小泉首相。現地での予想外の歓迎ぶりに、痛く感動したようである。

トルコ国民の親日ぶりは有名だ。その理由は様々だが、トルコ共和国建国の父・アタテュルクが大の親日家だったことが、最も大きな影響を与えていると言える。

20世紀初頭、第1次世界大戦で敗れたオスマントルコ帝国は、英仏を中心とする西欧列強によってまさに切り売りされようとしていた。その危機に颯爽と登場したのがアタテュルクである。
アタテュルクは非西欧諸国で唯一近代化を成し遂げていた日本に着目。明治政府を手本に近代トルコ(トルコ共和国)を成立させた。
その心は徹底的な世俗主義に基づく政教分離、資本主義を導入しての富国強兵策だ。近代化は成功し、トルコは西欧列強の植民地となることは免れた。
近代トルコの父・アタテュルクは神格化され、そのアタテュルクが手本とした日本という国は、いつしかトルコ人が”最も愛する国”になっていったのである。

それから80年以上。EU加盟を目指すトルコは今、国家としてのアイデンテティをめぐり揺れている。加盟交渉はようやく始まったものの、キリスト教クラブであるEUへのトルコの加盟には難航が予想される。
こうした中、再び”イスラム”を国家のアイデンテティの中心に据えようとする機運が、人々の間にも生まれてきている。こうした人々にとって、米軍を中心とする多国籍軍がいまだにイラクに駐留する状況は許しがたいものだ。

中東最大の親日国であるトルコですら、自衛隊のイラク派遣には全面賛成ではない。昨年春に訪れたイスタンブールでも、”アメリカの言いなりの日本に失望した”との声は数多く聞いた。
靖国問題でアジア外交が破綻している小泉首相にとって、トルコ訪問はさぞかし気持ちのいいものだっただろう。しかし、トルコをはじめとする中東諸国で日本がどのように見られているのか、今年こそ真剣に考えてほしいものだ。

(写真:筆者が愛してやまないイスタンブールの夕暮れ/去年3月)

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